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2022年1月9日日曜日

藤井厳喜著の「政治入門」(若い有権者のための)ご紹介。

私は、常々(株)ダイレクト出版社の藤井厳喜氏の情報から、世界を覗いています。その延長で(18歳から考える日本の未来)「政治入門」の著書を紹介します。簡便に書かれた政治の紹介本です。普段当たり前に知っているつもりでも、問われた際に答えられないことが、沢山あります。特にリベラルな立憲民主党や日本共産党の主張には「可笑しい?」と思いながらも、答えられません。私の嘗ての友人が、「保守のアイドルとなっている櫻井よし子」とか、藤井厳喜氏を「大した大学を出たわけではない教授」と蔑んだ言葉で述べていたことを思い出します。彼は、根っからの全共闘世代で韓国や朝鮮の主張を擁護していました。今でも彼を左翼思想にまみれた人と悲しく思います。

第1章 権利と義務 

現在は、18歳から選挙権が得られることになりましたが、「政治に参加する権利」を得たということです。明治22年に大日本帝国憲法ができ、「広く会議を興し、万機公論に決すべし」ということから、議会をつくり国民の代表を集めることになりました。しかし、選挙権は大変な高額の納税者しか選挙権はなかったわけです。その後、自由民権運動や普通選挙法の運動などがあり、成人男子25歳以上の人は選挙権が得られることになりました。これは、世界でも非常に早い方です。

遡って考えれば、平安時代は天皇と貴族の時代、藤原氏などの摂関政治になります。それが、鎌倉時代から江戸時代まで武士の時代になり、武士以外は御法度でした。それが、明治になりその貴重な選挙権を得たわけです。選挙に逝かないのは、国の政治が安定していることなのかもしれません。とても困った政党や政治家がいて、問題があれば、皆さん選挙に関心を持ち選挙に行くでしょう。

選挙権は特別な権利ですが、罪を犯した人は公民権停止と言い選挙権がありません。また、政治家の汚職や法律を犯した問題があれば、それを選んだ選挙民の責任があります。ですので、立派な政治家を選ぶのは、有権者の義務でもあります。要するに日本の政治がどうだという批判は、それを選んだ自分に返ってきます。国民は自分以上の政治家を持つことが出来ないということです。

ある意味政治が関係ないということは、日本が安全安心な国だということです。内戦のシリアや世界の紛争国では、治安や秩序は、当たり前ではありません。国家の第一の役割は、安定・秩序をつくることです。私達の聖愛kつは、国家が安定している、そのうえで成立しています。日本の治安は、世界レベルで見ると極めて良いことになります。

権利があるということは、義務もある。歴史の連続ということを考えると今の日本の現状は、何年か前の日本人の決断が作ったことになります。私達の今の決断は、10年後20年後の日本を決めることになります。その意味で、私達は、未来の世代に対して責任があります。世代を超えた責任、私達は過去の人達の責任を引き受けると同時に未来の人達に対して、責任を引き渡していることになります。

日本の名誉を守るということ。日本は第二次世界大戦という戦争をしました。戦後に日本政府が誤った判断をしたために、過去の人達の名誉を非常に傷つけてしまうことがありました。それは、私達のご先祖の名誉を汚しているだけでなく、私たち自身の名誉を汚していることになります。そして、次の世代の名誉を貶めることになります。その意味では、私達の権利を伴う責任や義務は、歴史を通して、時間軸を越えてゆくものです。そういう生命の連続、歴史の連続の中に、私達の今の権利があり、義務がある。

第2章 デモクラシー

デモクラシーは、「民主主義」は誤訳です。クラシーは、「国家の統治形態」を指す言葉で、デモクラシーは、「大衆が支配する政治体制」という意味になります。ismの社会主義(socialism)、自由主義(liberalism)、保守主義(conservatism)。全体主義ならtotalismというように最後に全部ーismが、付きます。これは、「主義」と訳していますが、特定の「思想」なんです。つまり、ある「ものの見方」「価値観」なのです。デモクラシー(democracy)と同じような-cracyの付いた言葉を並べると貴族政治は、アリストクラシー(aristocracy)、官僚制は、ビューロクラシー(bureaucracy)、独裁政治は、オートクラシー(autocracy)、卑弥呼の政治を神権政治、セオクラシー(theocracy)、金権政治をティモクラシー(theocracy)と言います。これは、国がどのように収まっているかという分類です。すべてが、~クラシー(cracy)になる。古代ギリシャのポリスに民主政治という統治形態があったわけです。代表例がアテネです。この言葉がフランス革命以降、デモクラシー(democracy)として広まってくるわけです。ですから、デモクラシーという言葉には、価値判断はありません。これを民主主義というと、イデオロギーになってしまいます。

第3章 国際政治と国内政治

第4章 立憲君主制

第5章 選挙の仕組み

第6章 マスメディア

第7章 政党

第8章 自由や人権

第9章 憲法

第10章 皇室と政治

終章 愛国心

一通り、関心を持って、読み通しました。内容は、中学生から高校生、そして社会人向けの語り口ですが、専門的な知識を持たない私には、とても楽しく読むことが出来ます。有難うございました。

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